リジェネレーションとサーキュラー・エコノミー②

今、話題のキーワード「サーキュラー・エコノミー(循環経済)」を知っていますか? サステイナビリティからリジェネレーションへ。そして、日本の循環型社会の先、世界で注目を集める「サーキュラー・エコノミー(循環経済)」について、今回はリジェネレーションと合わせてご紹介します。

目次
Less badからMore goodへ
サーキュラー・エコノミー(循環経済)
・ステイト オブ ジ アートの活動

Less badからMore goodへ
前回「サステイナビリティの先、リジェネレーションへ」は、「すでに地球は限界を迎え、サステイナビリティでは地球規模の社会課題は解決できず、リジェネレーションのような積極的なアクションが必要」というお話でした。

やっと「サステイナビリティ」に慣れたと思ったら、「リジェネレーション」に「サーキュラー・エコノミーだなんて、次々新しい言葉が出てきて困ります、そんな声が聞こえてきそうですね。

みなさんはもう「SDGs」や「サステイナビリティ」を意識した暮らしをしていますよね。マイボトルやマイバッグ、節電や公共の乗り物を使ったり、リサイクルしたり、なるべく環境に負荷をかけないように気をつけている方も多いでしょう。

これらの行動は、みなが「サステイナビリティ」を「そうそう、やらないとね」と認め、動き出した点でとても重要なこと。まさに「SDGs」や「サステイナビリティ」といった考え方が、社会に浸透しつつある証ですよね。

ところがこうしたマイバッグを持ち歩く活動のように、わたしたちや企業が今のままの生活を少し見直して気をつける取り組みが、環境に及ぼす影響は、マイナスをゼロに近づけるレベルにとどまっているのが現状です。

MITスローン経営大学院のピーター・センゲ氏がインタビューで語った「Less bad」と「More good」という言葉をお借りして説明すると、(参照記事:持続可能性:あなたが思うのとは違うもの(1)「Less Bad」から「More Good」へ)

「サステイナビリティ」な取り組みで環境への悪影響を減らす=「Less bad」な行動だけでは不十分で、自然環境を復活・回復させ、よい影響を増やす「More good」な視点を持つことが大切なのです。

こうした「Less Bad」から「More good」へという流れが、「リジェネレーション」であり、わたしたちはこれからより積極的に環境や地域コミュニティにコミットしていくことが求められているのです。

サーキュラー・エコノミー(循環経済)
そしてこういった「リジェネレーション」の発想は、世界で盛り上がりを見せる「サーキュラー・エコノミー(循環経済)」にもつながっていきます。

「サーキュラー・エコノミー」を簡単な言葉にすると「資源を循環させることで、環境への負担を減らしつつ、同時に経済成長も実現しよう」というもの。

EUで提唱された「サーキュラー・エコノミー」。実は日本にもこれと似た概念が存在していました。

例えば資源や製品を循環させ、環境負荷を減らす「循環型社会」や、日本のエコの合言葉だった「Reduce(減らす)」「Reuse(再利用する)」「Recycle(リサイクル)」の3Rなどです。

この考え方は、これまでの「資源を使い、物を作って消費して捨てる」というリニア(直線)型の経済を改めて、資源を循環させようというもの。

さらに「サーキュラー・エコノミー」は、新しい資源を使うことをできるだけ少なくし、これまでに作られてきた製品や、原材料といったこれまで捨てられてきたもの、すべてを資源ととらえ、循環させようというもの。

生産の段階からゴミや汚染が出ない「循環」を視野に入れた製品・サービス設計を前提とする点が、3Rよりも進んでいるといえますね。

このように日本の「循環型社会」の資源の範囲を広げ、経済成長を加えた考え方が、「サーキュラー・エコノミー」なのです。

ステイト オブ ジ アートの活動
サステイナビリティから、リジェネレーションへ。
そして、日本の循環型社会から、サーキュラー・エコノミーへ。

今、世界はLess badからMore goodへと、
世界をよりよくするために、積極的なアクションに取り組もうとしています。

これらを踏まえ、「リジェネレーション」を実践するため、わたしたちステイト オブ ジ アートは、経済活動で無視されたり、捨てられてきた原材料をそのままにしたり、廃棄したりせず「資源」として循環させたいと考えています。

色が黒くないという理由で、捨てられる色落ち海苔や、未利用の海藻など、そのまま放置されると環境に悪い影響を与える可能性のある海藻を乳酸菌で発酵。付加価値をつけて化粧品の原料に利用し、海の環境をよくしていきたいと願っているのです。

みなさまとともに行う、わたしたちの活動が、マイナスを抑えるLess badに加え、プラスを生み出すMore goodなアクションの一つになれますように。