毎月8日に開催される、環境再生プロジェクト 糸島「ウミネコヤマネコ」ビーチクリーンに、ステイト オブ ジ アートが協賛いたしました。
今月は台風が過ぎ去ったあとの、9月8日(木)。
台風が、海のプラスチックを、陸へ運んでくれたあとの、まさにビーチクリーン日和。
大型の台風11号が残した海洋ゴミなどを拾い、手作りの梅酵素ジュースをいただきました。
そんななか、このビーチクリーンの活動をされているsangatsu_no_hitsujiさんの投稿で、「台風が海水をかき混ぜることで、生態系を守っている」と知りました。
台風は、海面水温が27℃以上で、あたたかく湿った空気どうしがぶつかって上昇することで、発達していきます。
そんな台風が、どのように生態系に影響を与えるのでしょうか? 「台風と生態系の関わり」について調べてみました。
「気象庁 海水温・海流の知識 台風による水温の低下」によると、
“台風のように反時計回りの風が吹くときには、中心付近から外向きに海水が移動します。すると、移動した海水を補うように、深いところから海面よりも冷たい水が湧き上がります”と述べられています。
ちょっと難しいですが、わかりやすくいうと、「台風の反時計回りの風が、いつもは海の深いところにある、冷たい海水を引っ張り上げている」ということ。
ちなみにこの現象を「湧昇(ゆうしょう)」といいます。
この海の深部の冷たい海水が上昇する「湧昇」や、台風の暴風や高波が、冷たい海水と、海面のあたたかい海水をかき混ぜることで、海面水温が下がるのだそうです。
そして、「自然の中の台風 Q&A 生物多様性と私たち The MIDORI Press」によれば、
“もし低気圧がなければ、蒸発した水蒸気は上方へ輸送されません。結果として雨が降らなくなり、大陸では砂漠化が一気に進むことになります。
特に、私たちが住んでいる東アジアモンスーン域は、季節的に発生する台風のおかげで熱帯地方から大量の水分補給を受けています。
また、強い風は沿岸や湖沼を大きく攪拌するので、底泥がかき混ぜられ十分な酸素が供給されることになります。”と記されています。
こうして調べると、台風は、海面水温の低下や、水の循環、酸素の供給など、生態系を守っているのですね。
とはいえ、台風を発生させるなど、バランスをとってくれていた自然環境も、人間の誤った活動のため、適応の限界に近づいています。
陸の生物より、海の生物の方が、温度差に耐えられません。地球温暖化によってサンゴの白化や、海の生物が住めなくなると、その影響が連鎖し、漁獲量の低下や種の絶滅などにつながっていくでしょう。
また水温が高くなるほど、大型台風の発生が懸念されます。こうした観点からも、生態系を守るため、気候変動へのアクションに取り組んでいく必要があります。そして、まず小さなアクションからでもスタートすることが大切ですよね。
次回のビーチクリーンは、10月8日(土)福岡県糸島市・大口浜で開かれます。
お近くにお住まいで、ビーチクリーンにご興味ある方は、どうぞご参加ください。